50日齢の子猫の食道狭窄

検査結果
バリウム検査にて食道鬱滞が認められ、食道狭窄を疑いました。
本猫は436gと発育不良が顕著であった。2Frカテーテルにて挿管し、経鼻内視鏡にて胃の入り口での狭窄を確認。
治療方法
内視鏡で観察しながら、細いカテーテルから順に挿入し徐々に拡張させました。
ある程度の拡張が認められた段階でバルーン拡張術にて狭窄部の更なる拡張を行った。
拡張前は1mmあるかないかの孔でしたが、拡張後は5mmを維持しました。
術後の経過
術後から流動食を飲み込めるようになり、1週間後は500g、2週間後は700gと順調に体重が増えていきました。
拡張術は平均4~6回行います。
誤嚥性肺炎が非常に怒りやすい時期なので、食後は30分立せた状態で抱っこして頂き食道内に食餌が鬱滞しないように管理頂いています。
食道狭窄は重度の食道炎から発展することが多く、犬よりも猫の方が発生頻度が高いです。それは猫に錠剤やカプセルうを投与した際、胃内へ到達する時間が犬よりもかなり時間がかかるためです。また刺激による狭窄以外にも心臓近くの血管輪の遺残で起こる狭窄もあるので、その時は開胸術など更に大がかりな手術が必要になります。
獣医師 菅木