若齢の脛骨粗面剥離骨折
種 類 | フレンチブルドッグ |
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年 齢 | 5ヶ月齢 |
診療科目 | 外科 |
症 状 | 自宅で遊んで着地を失敗してからびっこを引く |
- 症例の概要
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若齢のフレンチブルドッグが遊び負荷により脛骨粗面の剥離骨折を起こし、外科的な治療を実施した。
検査結果
治療方法
定法で切開し骨端を露出しなるべく用手で正常位に整復した後にキルシュナーワイヤー2本にて脛骨に固定するとともに、それに絡めるように縫合糸にて8の字のテンションバンドを二重で締めた。術後は外固定を実施し体重負荷を分散させるように管理した。
術後の経過
術後は絶対安静で入院とした。幸い、入院中は安静にしていたために退院時点では内固定はそのまま維持されている。
今後は、自宅での安静と丁寧な再診再検査で注意深く経過観察とし、経過に応じて抜ピンを検討とする。
症例について
脛骨粗面の剥離骨折はほぼ全てが10か月齢以下の動物に発生する。
体重が軽い、骨変位がごく軽度である場合は内科的な保存療法も選択されるが、変位が強い場合などは早急な外科的な介入が必要である。本症例では朝に発症し昼に手術という最速での治療プランを実施できたが、骨折では様子見すればするほど手術難易度が上がっていくことを理解しておく必要がある。また、高所からの落下でもなくちょっとした強い遊び程度の負荷でも若齢の関節では骨折が起こり得ることを再認識した次第である。
こういった成長板に近しい位置での骨折は、将来的な成長不良やそれに伴う肢の長さの不均衡が起きる可能性を事前にインフォームする必要がある。
木村