全耳道切除、鼓室包切開術
種 類 | アメリカン・コッカー・スパニエル |
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年 齢 | 4歳 |
診療科目 | 外科 |
症 状 | 小さい頃から外耳炎を再発し続け、良くなってはまた再発して…を繰り返していました。 |
- 症例の概要
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慢性外耳炎を繰り返し、全耳道切除、鼓室包切開術を施した症例について紹介します。
検査結果
当院で診せていただくようになってからも、オーナー様の献身的な通院、内科治療により、かなり長い間、耳道の閉塞を免れながら最近まで過ごしてきました。しかし、ここ最近になり、耳鏡検査でも鼓膜を確認することが難しいくらいに耳道は狭窄してしまいました。これ以上は内科治療による改善は困難と判断し、この度、全耳道切除、鼓室包切開術を実施しました。
治療方法
炎症、石灰化等が進み、閉塞しかかった水平耳道、垂直耳道を切除し、さらに鼓室包切開術も実施しました。
術後の耳の外観と言えば、耳をめくれば耳の穴が無い…状態になります。鼓膜ごと切除しているため、聴覚は失われます。
しかし、慢性的な炎症による当該犬のストレスは無くなり、痛みストレスのない生活が送れるはずです。
術後の合併症としては、
1)感染
2)出血
3)基礎にある疾病の悪化(皮膚病等)
4)縫合部離開
5)顔面神経麻痺
6)フィステル形成(術後数ヶ月~2年以内)
などが挙げられます。
術後の経過
現在、術後2週間で経過は良好。今後も上記事項に注視しながら経過を見守っていきたいと思います。
症例について
慢性外耳炎を繰り返し、全耳道切除、鼓室包切開術を施した症例について紹介します。