症例詳細

会陰ヘルニア

種 類
診療科目 外科  内科 
症 状 お尻の横が膨れてきている。
症例の概要

先日会陰ヘルニアのセミナーに参加してきました。私が大学で習った会陰ヘルニアの発生や病態、治療法が、最近は大きく変わってきているようです。 会陰ヘルニアは骨盤隔膜の脆弱化により様々な併発症を含んだ疾患の総称で、色々な表現型

症例について

先日会陰ヘルニアのセミナーに参加してきました。私が大学で習った会陰ヘルニアの発生や病態、治療法が、最近は大きく変わってきているようです。

会陰ヘルニアは骨盤隔膜の脆弱化により様々な併発症を含んだ疾患の総称で、色々な表現型を持つ疾患群とされています。

骨盤内や腹部の内容物が脱出とよく言われますが、腸が脱出した症例はほとんど見られないようです。臓器の逸脱、すなわち、ヘルニアの病態をとることは少ないです。昔は、片側性(そのうち68%が右)と言われていましたが、最近は99%以上が両側性で、ほぼすべてが複雑性(膀胱屈曲、直腸異常、前立腺疾患などの多臓器の症状を伴う)でグレード3(重度の片側性、または、軽度~重度の両側性拡張)です。約30%で化膿性前立腺炎を併発しています。さらに、猫の会陰ヘルニアは稀とされていましたが、診断されていないだけで猫にも多く存在しているようです。

診断をするうえで、まずは、緊急状態の判断です。緊急性の有無を把握したうえで、筋の消失の状況を直腸指診で判断・直腸病変・前立腺病変・尿路変位の診断が必要になります。それから、血液検査や、感染の有無、呼吸器・循環器の異常が無いか、基礎疾患の有無を探していきます。

では、緊急性の高い会陰ヘルニアとは、、、

膀胱屈曲による尿路のうっ血、虚血。化膿性前立腺炎による敗血症、DIC。憩室の破裂。です。

会陰ヘルニアだけでは通常は見られない病態として、排尿困難、尿失禁、腹痛、食欲不振、血便、軟便があります。これらが症状として見られた場合は、会陰ヘルニアの合併症として何か起こっていることを示しています。必ず、その原因を探していく必要があります。

これらが確認できれば、緊急的に対処していく事が必要になります。膀胱の屈曲だけでなく、屈曲することで尿路の血流障害を起こし尿閉、ショック、膀胱壊死が起こるので緊急対応が必要になります。

では、どのような治療法があるのか見ていきます。

会陰ヘルニアは進行性の病態であり、手術が必要になります。肛門括約筋の逸脱、膀胱前立腺のの脱出、しれに伴う虚血性壊死、化膿性前立腺炎、直腸の蛇行・拡張・憩室様変化、これらの組み合わせによって手術の内容も決定していきます。

きわめて軽度な筋委縮では、基本法が適応。肛門挙筋の部分的な消失、尾骨筋は残存では、内閉鎖筋転移術。肛門挙筋と尾骨筋の消失では、内閉鎖筋転移術と浅臀筋転移術の併用法。

これらが、最新の会陰ヘルニアの情報となります。

 

今回の症例は、13歳未去勢オスのミニチュア・ダックスです。2週間前からお尻のわきが膨らんでい要るとの主訴で来院されました。視診では右側の膨らみのみでしたが、直腸指診では左にも憩室が確認出来ました。診察で、緊急性は高くないと判断しましたが、進行性の病態であることを念頭に、すぐ、手術をしていきました。去勢手術と内閉鎖筋転移術を適応と考え行いました。

経過は順調です。

00-62410

獣医師 高野千秋

淀川中央動物病院

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年中無休
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