症例詳細

10階から落下した猫

種 類 和猫
年 齢 10歳
診療科目 外科  内科 
症 状 先の大地震の際、網戸が外れ猫ちゃんがベランダに脱出!
相当地震にびっくりしたんでしょう、パニクったと言いましょうか
なんとそのベランダから大空へ大ジャンプ!地面まで真っ逆さま!

飼主さんが1階に降りてみると植え込みに穴があいており、その中を覗き込むと落下した愛猫ちゃんを発見
半分諦めていた飼い主さんは愛猫ちゃんの鳴き声を聞き、まだ希望があると思いました。
そして当院へと担ぎ込まれました
症例の概要

猫ちゃんはよく落下事故をおこします。事故で担ぎ込まれたとき、獣医師はどのようなことを考え診察をしているのでしょうか?

検査結果

「落下」や「交通事故」など強力な力が体に加わった時、私たち獣医師はどのようなことを考えるのでしょうか?

1.まずは生きているかどうかの確認をします。当たり前のようですが一見死んだように見えても意識がないだけのこともありますし、呼吸停止はしているものの心臓は動いているケース、心肺停止状態などありそれぞれの状態で対応が変わります。

2.命に係わる事柄から優先的にチェックしていきます。心臓はどのように動いているか?呼吸状態は?意識はしっかりしているのか?などなど

3.次に直ぐに命の危険性が無いと判断されれば、損傷個所を徹底的に調べ治療対象を絞ります。私がまず行うのは診察室内で動物に歩いてもらいます。真っすぐに歩けるか、足を挙上しながら歩かないか、または麻痺様症状で動くことすらできないのか。骨折をしていると足をあげたり、体重がその部位にかからないよう変な歩き方をします。脊髄損傷をしていると部位によって後肢だけずるずる地面にこすって前足だけで歩いたり。

猫 歩く

4.次に診察台に乗せて直接触って診察します。四肢の触診はもちろん、口の中、脊椎、頭蓋骨触れる骨系は気を付けながら触ります(頭蓋骨骨折してる子にグッと指で押さえたら危ないです)、そして腹部触診、おなかの中に液体が溜まっているような触感は無いか、痛がるところは無いか優しく触ります。神経疾患検査もかねて目の検査も行います。

5.ここまでクリアしてもまだ安心はできません。気胸や胸腔内出血、腹腔内出血や膀胱破裂など初期から症状がでるものから時間差で後から症状が出るものまで様々だからです。ですから大きな力が加わった時は身体検査だけにとどまらず、れんとげんけんさ、超音波検査、血液検査は必須です。可能ならばCT検査、場合によってはMRI検査も行う場合があるかもしれません。

猫レントゲン

さて、今回の猫ちゃんはどうだったかと言うと(10階から地面まで落下です)

①看護師から待合室での状態は良いとの報告(!?)

②診察室でキャリーを空けると自分から出てきて「にゃー」と言って1周何事もないかのように歩いて見せた(!?)

③診察台の上で徹底した身体検査をするが全く問題なし。痛がる素振りすらなし

④レントゲン検査、腹部超音波検査では偶然発見された子宮水腫(落下する前からおなかがポッコリしてきたとオーナー様の稟告あり)しかもでかい。血液検査はAST、CKのみの上昇(筋肉由来)

結果、今分かりうる落下による損傷は打撲以外認められませんでした(!!)導尿して尿路確認もしたかったのですがかなり元気で動くため、1晩自宅で様子見てちゃんと排尿するか確認して頂くことになりました。(子宮は後日手術で摘出し細菌や出血もなく純粋な子宮水腫でした)

 

治療方法

今回は地面の植え込み(おそらくツツジ)があり、生い茂った葉っぱと小枝が最高のクッション材になり猫ちゃんを救ったのだと思います。

2階から落下しても亡くなることはあります。本当に今回はミラクルでした。

ちなみにワンちゃんは1度落下したらまず次から落下することはありません(自分の意志が絡んだ時)、ただ猫ちゃんは数年後また落下することを何例も経験しています。骨折をしていたとしてもです!

忘れちゃうんでしょうか( ;∀;)

考える猫

 

獣医師  菅木 佑始

淀川中央動物病院

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