症例詳細

犬の肺水腫

診療科目 循環器科 
症例の概要

心不全が悪化すると、肺に水がたまる肺水腫という状態になることがあります。

症例について

昨日から呼吸が苦しそうとのこと。確かに診察台の上でも、肋骨を大きく使ってハアハアと息をしています。舌の色もきれいなピンク色ではなく、白っぽく見えます。

これは、肺に問題がありそうだということで、レントゲン写真を撮りました。

上の写真は、横向きで胸部を撮影したものです。左側が頭部になります。画面中央、やや上あたりを横切っている、黒い線のように見えるものは気管、その下に丸く見えるものは心臓ですが、その後ろ、横隔膜に挟まれた三角の部分(肺の一部)が、本来なら黒く抜けなければならないところ、真っ白になっています。(下の写真で赤く囲っている部分)

レントゲン写真では、X線をよく通すものほど黒く映るので、空気は黒く、水や組織などそれ以外のものは白く映ります。上の写真のような所見が得られた場合、肺に空気ではないものが溜まっている可能性を示唆します。

このような所見は、心臓の機能が落ちている状態、いわゆる心不全から、肺に水が溜まってしまう「肺水腫」である場合、また、肺に強い炎症が起きている場合など、様々な原因でみられますが、

この症例の場合は、これまでの経過、犬種(キャバリアは心不全の好発犬種です)、治療への反応、などから総合的に判断して「肺水腫」の可能性を第一に考え、酸素室での入院にて治療を行いました。

治療内容は、まず利尿薬の投与、あとは反応をみながら、血管を拡張させる薬の静脈点滴などです。

この子の場合は、幸いにも投薬にすぐに反応してくれました。本人の呼吸もとても楽そうになり、横になって寝るようになりました。呼吸が苦しいときは、横になるのも苦しいため、じっと座ってハアハアして寝ていない、という話を飼い主さんから聞くことが多いのも特徴のひとつです。

翌日の胸部レントゲン写真です。写真を見比べてみるとよくわかりますが、心臓の後ろの三角の部分、白くなっていたのがきれいに黒く抜けているのが確認できます。肺にたまっていた水が抜けたしるしです。

このワンちゃんは無事、翌日に退院となりましたが、レントゲンで見るだけでも、心臓がかなり大きくなっており、いわゆる「心不全」の状態になっていることが予想されます。心不全の状態を放置しておくと、またすぐに肺に水がたまってしまい、呼吸が苦しくなってしまうため、心臓の機能をサポートする投薬がかかせません。

毎回の診察で、毎日の様子を飼い主さんに聞くことから始まり、身体検査、胸部レントゲン検査、心エコー検査などで、心臓の状態を注意深く確認しながら、それぞれのペットちゃんに一番合った治療をしていくのが大事になってきます。

心臓の病気は、ワクチンなど健康診断のときにわかることも少なくありません。初期ははっきりした症状を示さないことも多く、悪くなってから連れてこられることも多い病気です。咳や、あまり激しい運動をしなくなった、すぐに疲れる、など、少しでも心当たりがあれば、動物病院にてご相談されることをお勧めします。些細なことでもぜひお知らせください。

淀川中央動物病院

〒532-0002 大阪市淀川区東三国6-12-6
地下鉄御堂筋線「東三国駅」北口から徒歩10分

年中無休
午前診 9:30~12:30
午後診 16:30~19:30
  • 病院へのアクセス
  • お問い合わせ番号
  • 病院へのアクセス
  • よくある質問
淀川中央動物病院の案内へ