症例詳細

猫伝染性腹膜炎(FIP)

種 類 アメリカンショートヘア
年 齢 1才10か月
診療科目 循環器科 
症 状 元気食欲の低下
症例の概要

猫伝染性腹膜炎(FIP)は、広く猫の腸管に感染する低病原性の猫コロナウイルス(FCoV)が、一部の猫の体内で突然変異を起こし、腸管以外の場所、とくに血液中に出現するようになり、マクロファージ内で感染、増殖し、それに対して猫側の免疫反応が過剰に働き、III型あるいはⅣ型のアレルギー反応を起こす結果生じる病気です

検査結果

1歳10ヶ月のオスのアメリカンショートヘア

元気食欲の低下を主訴に来院しました。

一度対症療法として皮下点滴を行なったが改善せず、スクリーニング検査を行いました。

 

発熱なし

血液検査:TP9.4 その他特記事項なし

画像検査:腹腔内リンパ節腫大

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高蛋白血症が認められたため、外注検査にてFCoV抗体および蛋白分画を調べました。

抗体価>102400倍、ポリクローナルガンモパチー

→FIPが強く疑われる

 

治療方法

FIPドライタイプとして

プレドニゾロン4mg/kg/day

猫オメガインターフェロン

以上の経口により治療を開始しました。

術後の経過

その後腹腔内リンパ節は目立たなくなりとても元気になりました。

そのためステロイドを漸減していきましたが、治療開始1.5ヶ月後に腎臓腫大および周囲への液体貯留が始まり、その2週間後(診断から2ヶ月)に自宅で亡くなりました。

団団.0002

 

症例について

猫伝染性腹膜炎(FIP)は、広く猫の腸管に感染する低病原性の猫コロナウイルス(FCoV)が、一部の猫の体内で突然変異を起こし、腸管以外の場所、とくに血液中に出現するようになり、マクロファージ内で感染、増殖し、それに対して猫側の免疫反応が過剰に働き、III型あるいはⅣ型のアレルギー反応を起こす結果生じる病気です。

アレルギー反応の結果は、血管炎と炎症性滲出(ウェットタイプ)、あるいは肉芽腫病変の形成(ドライタイプ)です。

集団飼育下のストレスがかかった猫や、FIVFeLVなどの免疫異常を引き起こすウイルスに感染した猫に見られることが多いです。

また、純血種はより発症リスクが高いと報告されています。

突然変異ウイルスが猫から猫へ水平感染して発症させるかどうかは未だ議論が分かれているところです。

確実に完治をもたらす治療法はこれまで発表されておらず、現在行われている治療も炎症反応や免疫反応を抑えるような対症療法的なものです。

診断は発熱、軽度の非再生貧血、ポリクローナルガンモパチーを伴う高蛋白血症、高蛋白で少数の炎症細胞を含む炎症性滲出液(胸水または腹水)、特徴的な肉芽腫病変(回盲結腸部、腸間膜リンパ節、腎臓)などの所見から総合的に判断していきます。

一般的には少なくなってきていると言われるこの病気ですが、ここ最近当院でもFIPが疑わしい症例が散見されるため、注意が必要です。

 

淀川中央動物病院 藤木

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