症例詳細

猫の縦隔型リンパ腫

種 類 猫(雑種)
年 齢 3歳齢
診療科目 腫瘍科 
症 状 息が荒く元気がない。食欲も低下している。
症例の概要

猫のリンパ腫は若齢での発症と、高齢での発症の2回のピークがあります。若齢猫ではFeLV感染に起因したリンパ腫が多く発症し、前縦隔型では胸水の貯留や呼吸困難がみられます。

検査結果

FeLV陽性 FIV陰性 

胸部レントゲン・超音波検査:胸腔内に腫瘤陰影と胸水の貯留 

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胸腔内腫瘤のFNA検査:中~大型のリンパ球が多数認められました

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その他:脾腫、腸間膜リンパ節腫大。循環血中には腫瘍細胞(-)

 

診断:前縦隔型リンパ腫

治療方法

化学療法を実施。

今回は多剤併用療法といい、週ごとに異なる抗がん剤の投与と、自宅でのステロイド剤の内服を行いました。

術後の経過

初回の抗がん剤投与を行った1週間後の検診にて、食欲や活動性が改善。また肺野のレントゲン透過性も改善されていました。

これは当院での治療を開始してから28日目の胸部レントゲン画像です。

前胸部に腫瘤陰影が認められますが、肺野の透過性は初診時と比べると明らかに改善されているのがわかると思います。

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症例について

リンパ腫の分類は様々な点で行われます。

その一つである、病変の出てくる部位による解剖学的な分類としては、前縦隔型、多中心型、消化器型、腎臓型、鼻腔内型などがあり、今回の症例は前縦隔型にあたります。

猫のリンパ腫は、ネコ白血病ウイルス(FeLV)の感染と関連があり、本症例の前縦隔型や、中枢神経型、多中心型は2歳から4歳にかけて若齢発症のピークを作っています。

 

前縦隔型は、胸水の貯留や呼吸困難を呈して来院されます。

若齢期でのリンパ腫は、多くでFeLV感染を伴っており、リンパ腫の有無に関わらず長期予後はあまり思わしくありません。

ただ、若い猫は老齢猫に比べて化学療法に耐える力は強く、また前縦隔型は化学療法への初期の反応が良いものであるため、化学療法を実施するケースは多いです。

今回の症例でも、抗がん剤での副作用をほとんど呈することなく、抗がん剤の投与により胸水は消失し、胸腔内のリンパ節病変の縮小が認められました。また元気や食欲も改善し、現時点では落ち着いた毎日を過ごしています。

しかしリンパ腫は、最終的には抗がん剤への反応が悪くなり、腫瘍の増殖や拡大を抑えられなくなる場合がほとんどです。

 

非常に怖い病気ではありますが、できるだけ症状や一般状態の落ち着いた毎日を過ごせるよう、その子にあった治療方法や薬剤を選択して向き合っていく病気となります。治療にはご家族の協力が重要となりますので、しっかりとお話しした上で治療を開始していきましょう。

 

 

淀川中央動物病院 本田

 

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