症例詳細

猫の糖尿病

種 類 雑種猫
年 齢 11歳齢
診療科目 内科 
症 状 元気がなくなってきた、痩せてきた、とのことで来院。食欲はあり、嘔吐や下痢などの消化器症状はなし。
症例の概要

猫において多飲多尿を示す疾患は多数ありますが、今回はその中の一つ「糖尿病」の症例について紹介します。

検査結果

血糖値は高値を示しており、尿検査にて尿糖(4+)、ケトン(2+)

明らかな脱水所見、およびその他画像検査にて特記事項は認めませんでした。

持続的な血糖値上昇が疑われ、糖尿病としてインスリンでの治療を開始しました。

治療方法

当初は「ランタス」というインスリン製剤を用いて治療を行っていましたが、血糖値の管理がなかなかうまくできず、後肢の跛行が現れました。これは糖尿病性末梢神経障害の一つで、糖尿病に続発する病態として一般的なものです。

「ランタス」での血糖管理がうまくいかないため、次に「レベミル」というインスリン製剤に変更しました。

「ランタス」と「レベミル」はともに猫において長時間作用を発揮するインスリン製剤ですが、血糖降下作用が個体によって大きく異なるため、一方のインスリンが効きにくい場合に、もう一方に変更すると血糖管理が改善する場合があります。

ただし本症例では「レベミル」でも血糖管理は思ったようにはいきませんでした。

インスリン製剤での管理が難しい症例においてはインスリン抵抗性の原因を考慮していかなくてはなりませんが、この症例では様々な検査を行いましたが該当する疾患は認められませんでした。

 

ちょうど治療中に猫用のインスリン製剤「プロジンク」が開発されたため、こちらを試すことにしました。

設定されている初期用量では高血糖が続いていましたが、用量を徐々に増やしていき、ある用量から血糖値の降下がみられました。

糖化アルブミンも良好な値を推移し、それに伴い多飲多尿や体重減少、脱水の改善も認められました。

上記の用量を継続したところ、7ヵ月目に後肢の跛行が消失しました。

現在もインスリンでの治療を継続しています。

術後の経過

猫では糖尿病の治療のためにインスリン投与が必要です。インスリンの種類は様々ありますが、長時間作用を発揮するもので治療を開始していきます。

今回の症例ではヒト用のインスリン製剤である「ランタス」と「レベミル」ではうまく血糖管理ができず、猫用のインスリン製剤である「プロジンク」で良好な管理ができました。

各々の製剤により吸収のされ方が異なるため、インスリン製剤の効き方には個体差があります。

治療方法(製剤や用量)が決まるまではある程度の時間を要しますので、その間に続発症状が現れる場合もあります。

 

糖尿病の予防方法は格別ありませんが、肥満が要因の一つとなりますので体重管理には十分気を付けましょう。

また糖尿病からケトアシドーシスという病態に陥ると、初期治療として入院管理が必要となり猫への負担も大きくなります。

水を飲む量やおしっこの量が増えた、食べるのに痩せてきたなどの症状がみられましたら、早めに来院してくださいね。

 

 

淀川中央動物病院 獣医師 本田

淀川中央動物病院

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