症例詳細

猫の慢性下痢(原虫感染)

種 類
年 齢 0歳齢
診療科目 内科 
症例の概要

1ヵ月間以上、下痢が続いていた猫ちゃんの2例において、寄生虫の一つである原虫感染に対する治療で改善が認められました。猫ちゃんの慢性下痢の原因は様々で、腸内細菌バランスの異常、寄生虫感染、炎症性、食事性、腫瘍性などがあります。

検査結果

消化管内寄生虫については主に、糞便検査を用いて検出します。

糞便検査には大きく2つの方法があり、便を生理食塩水で溶かし直接顕微鏡でみる直接法と、便を検査液に溶かし、時間が経って浮いてくる虫卵や寄生虫を検出する浮遊法があります。

浮遊法により認められたコクシジウム

コクシジウム

寄生虫感染があった場合でも1回の糞便検査では検出できないこともあり、繰り返し検査を必要とする場合もあります。

その他にも、下痢を起こす主な感染症(ウイルス、細菌、寄生虫感染)について検出する、便を用いた遺伝子検査もあります。

症例について

1例目は8ヵ月齢のオス猫ちゃん。1週間以上続く下痢を主訴に来院されました。

便検査を繰り返し行いましたが、寄生虫や虫卵は認められませんでした。抗生剤、回虫や条虫といった腸内寄生虫に効果のある駆虫薬、消化の良い療法食へのフード変更などを行っていましたが便の状態は一向に改善しませんでした。この猫ちゃんは、3ヵ月齢のときに原虫の一つのトリコモナスの感染が認められ治療で改善していたため、同じお薬を使用してみましたが今回は改善しませんでした。

そこで、便を用いた感染症の遺伝子検査を行うことになりました。

結果は、コロナウイルス、ジアルジア、クリプトスポリジウムといった寄生虫が検出されました。

まずはジアルジアに対する治療を始めることになりました。すると投薬開始後、約1週間で便の改善が認められました。その後、投薬継続し、お薬切れて以降も再発しないか経過をみています。

 

2例目は6ヵ月例のメス猫ちゃん。1ヵ月前から血便・軟便が続くという主訴で来院されました。

当院に来院される前に別の病院にて、抗生剤、回虫や条虫といった腸内寄生虫に効果のある駆虫薬、消化の良い療法食や食物繊維の多い療法食へのフード変更を行っていましたが便の状態は一向に改善しなかったとのことです。

当院でも便検査を繰り返し行いましたが、寄生虫や虫卵は認められませんでした。また血液検査を行いましたが特に異常は認められませんでした。

そこで、便を用いた遺伝子検査を行うことになりました。その日は便を持参されていなかったため後日便を持ってきてもらうことになり、それまでの間、試験的治療として難治性のトリコモナスに対するお薬を開始することになりました。

そうすると、お薬投薬をはじめた翌日から良便が出るようになりました。その後内服を継続し、お薬が切れて以降も再発はありません。

この猫ちゃんは投薬で改善されたため、遺伝子検査を行いませんでしたが、繰り返しの便検査でも検出できなかった寄生虫が潜んでいたことがうかがえます。

このように、猫ちゃんの下痢は原因の特定が難しく治療に時間がかかるケースもありますが、それぞれの症例に合わせた検査・治療で対応していくことが大切だと感じています。

 

淀川中央動物病院 梶

 

 

 

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