症例詳細

猫の先天性門脈体循環シャント

種 類 雑種猫
年 齢 2歳齢(初診時)
診療科目 内科  外科 
症 状 食欲がなく、口を開けてよだれを垂らす、との主訴で来院されました。
来院時、意識レベルは低下しており、多量のよだれを垂らしてボーっとしていました。
症例の概要

猫では比較的まれですが、繰り返す神経症状がある場合には先天性門脈体循環シャントも鑑別の一つとなります。

検査結果

血液検査にてアンモニアが高値(測定範囲over)を示していました。

また絶食時と食後の両方の総胆汁酸値も高値を示していました。

稟告より、神経症状が繰り返し認められることから、先天性門脈体循環シャントが疑われました。

CT検査を行ったところ、左奇静脈と左胃静脈との間でシャント血管が認められました。

治療方法

治療としては、外科的にシャント血管を完全あるいは部分的に結紮する必要があります。

本症例はシャント血管が太かったため、まずはセロハン法にてシャント血管を部分的に結紮しました。

術後も高アンモニア血症が続いたため、点滴やラクツロースの投薬にて内科的に管理を行いました。

途中で来院が途絶え、手術から10か月ほどでけいれん発作を主訴に来院されました。やはり高アンモニア血症を呈しておりました。

新たなシャント血管の発生がないかの確認と、さらに結紮をしていくため麻酔下にてCT検査を行い、そのまま開腹下にて手術を行いました。

今回はアミロイドリングを用いてシャント血管の結紮を行いました。

 

手術後はアンモニア値は正常範囲内で安定。ただ前肢の神経反射の消失とけいれん発作を呈していました。

術後管理として抗けいれん薬などを投薬。

以降、けいれん発作は消失し、徐々に前肢の神経反射も改善していきました。

 

現在はしっかりと歩様可能となり、けいれん発作も出ずに日常生活を送っています。

症例について

門脈体循環シャントとは、門脈と体循環の間の血管の異常な吻合のことを指し、猫の場合は先天性のものがほとんどです。

シャント血管があることで、門脈血の大部分が肝臓を迂回して全身循環へと流入します。

そのため消化管で発生するアンモニアなどの毒性物質が除去されず、神経症状や嘔吐などの症状が引き起こされます。

図1

 

 

 

 

 

 

 

(引用)「イラストでみる猫の病気」講談社出版

 

 

治療としては、外科的なシャント血管の結紮術が第1選択です。

加えて、内科治療として、もしくは外科手術までの治療として肝性脳症のコントロールと、術後も肝臓へのケアとして内科治療を行います。

一般的にはシャント血管を結紮した場合には予後良好ですが、手術直後の死亡率が比較的高いため注意が必要となります。

 

 

淀川中央度物病院 獣医師 本田

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