症例詳細

犬の皮膚型肥満細胞腫

種 類 チワワ
年 齢 10歳
診療科目 皮膚科  外科  腫瘍科 
症 状 後肢のできものが大きくなってきた
症例の概要

肥満細胞腫(MCT)は犬で最も多い悪性の皮膚腫瘍であり、皮膚腫瘍全体の16-21%を占めています。今回は左後肢にできた肥満細胞腫を切除した症例について紹介します。

検査結果

左後肢外側面の膝関節付近に直径1.5cmほどの柔らかく扁平な腫瘤が認められました。

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針吸引にて細胞診を行うと、好塩基性に染色される顆粒を持つ細胞が採取され、肥満細胞腫と診断しました。saibou2saibou

 

治療方法

肥満細胞腫は悪性度の低いものでも局所浸潤性が強いため、また悪性度が高いと再発や転移の可能性が高いため、広範囲の切除が望まれます。

そのため

①断脚(取り残しはないが、QOL↓)

②脚は残し、できる範囲で切除(QOLは上がるが、取り残し、再発の可能性↑)

の2つを

を提案し、②を選択されたため、腫瘤の周囲1cmのマージンを確保し、筋膜も1層切除しました。

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術後の経過

傷口の腫脹が認められたものの、手術から2週間後には落ち着き、抜糸しました。

病理検査では「肥満細胞腫、低グレード」との結果が返ってきました。

しかし、腫瘍細胞が切除端まで到達していたこともわかり、再発には十分な注意が必要です。

症例について

肥満細胞腫(MCT)は犬で最も多い悪性の皮膚腫瘍であり、皮膚腫瘍全体の16-21%を占めています。比較的高齢の犬(平均年齢9歳)で認められます。ボクサー、ボストンテリア、ラブラドールレトリーバー、ビーグル、シュナウザーに好発すると報告されていますが、どの犬種でも認められます。

肥満細胞は細胞質内にヒスタミンやヘパリンなどのたくさんの生理活性物質を含む顆粒を持ち、好塩基性に染色されます。

そのため細胞診(FNA)で診断が付くことが多いです。

犬の肥満細胞腫では組織学的パターンにおいて幅広い違いがみられるため、分化の程度に基づいたグレード分類システムが使用されています。

すなわち、高グレード・中グレード・低グレードで、現在では低および高グレードの2段階分類も用いられています。

高グレードの肥満細胞腫は、切除後の生存期間が短く、転移も短期間で起こります。

低グレードのものは外科手術により長期的に生存することが多いです。

中グレードはその中間ということになりますが、全体の80%がこの中グレードに分類されるため、現在では2段階分類を用いることが多いようです。

ただしこれは切除後の病理組織検査によって得られる情報のため、細胞診ではわかりません。

そのため切除の際には最も悪性度の高いものを頭に置いて行うことが大切です。

また見た目も硬いもの、柔らかいもの、赤いもの、そうでないもの、かゆみのあるもの、ないもの、と様々です。

一見脂肪腫のように見えるものもあるため、見た目で判断せずに細胞診を行うことが必要です。

 

細胞診はいつでも行え、結果もすぐにわかります。気になるできものがあれば、いつでも来院してください。

淀川中央動物病院 藤木

淀川中央動物病院

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