症例詳細

犬の口腔内メラノーマ

種 類 犬 ミニチュアダックスフンド
年 齢 14歳
診療科目 腫瘍科 
症 状 顔が腫れてきた
症例の概要

口腔メラノーマは、領域リンパ節や肺へ高頻度に転移する悪性度の高い腫瘍です。転移率は80%に及ぶと報告されており、主な死因はこれによるものです。

検査結果

鼻が腫れて来たという主訴で来院され高齢のミニチュアダックスフンド

重度の歯石が付着していたため、麻酔下でのスケーリングおよび抜歯を行うことになりました。

手術前検査から手術当日までに、今度は右頬が腫れ、当日は顔を触られるのを極度に嫌がっていました。

治療方法

麻酔下で口腔内を観察すると、重度の歯周病により両上顎犬歯は抜歯が必要な状態でした。

これが鼻の腫れの原因と考えられました。

 

右頬の奥には腫瘤が形成され、右頬の腫れはこれが原因と考えられました。

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出来る限り切除し、病理検査に提出しました。

 

病理検査では、悪性黒色腫(メラノーマ)と診断されました。

症例について

口腔内悪性腫瘍は、犬の悪性腫瘍の6%を占めており、悪性腫瘍全体で4番目に多いです。

その中でも30-40%がメラノーマ(悪性黒色腫)で、小型犬に多いとされています。

口腔メラノーマは、領域リンパ節や肺へ高頻度に転移する悪性度の高い腫瘍です。転移率は80%に及ぶと報告されており、主な死因はこれによるものです。

また犬歯より後ろに発生したものの方が予後が悪いといわれています。

 

現在の標準的治療は外科、放射線治療(もしくは併用)±化学療法±免疫療法です。

無治療の場合、生存期間中央値は65日です。

外科手術反応性は中等度〜良好です。

通常少なくとも2cmのマージンが必要となるため、顎骨や眼窩切除が必要となる場合が多いです。

外科単独で治療された場合の生存期間中央値は150日〜318日とされています。

放射線治療に対する反応は良好です。70%ほどで完全寛解が得られると報告されています。

しかしながら治療を実施することができる施設が限られていること、費用の面などが壁となっているのが現状です。

放射線治療を受けた犬の生存期間中央値は211日〜363日とされています。

化学療法(抗がん剤)には抵抗性があり、十分な効き目が得られないのが現状です。

免疫療法に関しては、がんワクチンなどの研究が進められています。

 

今回の症例では、高齢であること、費用などの面から、外科・放射線治療は選択せず、免疫療法の1つであるインタードッグ療法と低用量シクロフォスファミドメトロノーム療法を行いました。

 

インタードッグ療法は、具体的なエビデンスはまだないものの、メラノーマや肥満細胞腫などにおいて再発、転移の抑制や延命効果が報告されています。

低用量シクロフォスファミドメトロノーム療法は、こちらも詳細はまだ不明ですが、腫瘍免疫の増強により効果があるとされています。

 

腫瘍と判明してから3ヶ月強が経過し、間に2回ほど減容積のOPEを行いました。

やはり腫瘍の成長を食い止めることはできませんが、元気や食欲など一般状態は比較的良好に維持することができました。

 

口の中のできものは悪性腫瘍の可能性があるため、見つけたら早めに来院していただくことが大切です。

歯磨きの時など、口の中を見ておかしいなと思ったら受診してください。

 

また、飼い主さんやわんちゃんの状態に合わせて最適な治療法を提案させていただきます。

困ったことがあれば、気軽に相談してください。

 

淀川中央動物病院 藤木

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