症例詳細

犬の免疫介在性血小板減少症

種 類 雑種
年 齢 11歳齢
診療科目 内科 
症 状 4-5日前からの食欲不振、えづき、黒色便、そして朝に3回吐血した、との主訴で来院されました。
症例の概要

免疫介在性血小板減少症は多くは犬で発生します。

検査結果

身体検査にて腹部に紫斑があり、検査のための採血後にはさらに拡大。

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血液検査にて、PCV39%、血小板数500/ul、溶血所見なし。凝固系検査は異常なし。尿検査にて潜血反応あり。

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また画像検査では特に異常所見認めませんでした。

治療方法

原発性の免疫介在性血小板減少症を疑い、免疫抑制量のプレドニゾロンでの治療を開始しました。

2日後、球状赤血球を伴った再生性貧血(PCV22%)を呈していました。

吐血やメレナ(黒色便)はあるものの、さほど重度の出血を伴っていないためこの貧血は免疫介在性貧血の併発が最も疑われますが、今回費用面の点からクームス試験などは行っていませんので断定はしがたいです。(この場合を特に、エバンス症候群と呼びます)

紫斑の拡大はありませんでしたが、貧血が急速に進んでいるのと飼い主さんの来院都合も加味し、当日に輸血を実施。

以降、プレドニゾロンと免疫抑制剤にて治療を継続。第10病日に血液塗抹にて血小板を認め、紫斑の改善も認めました。

ゆっくりとプレドニゾロンは減量し、現在は免疫抑制剤を2日に1回の投与にて維持しています。

症例について

血小板減少症は、薬剤やワクチン、腫瘍、感染症などに続発することがありますが、今回の症例では基礎疾患が認められませんでした。

血小板減少症にともなう臨床徴候としては、皮膚や粘膜の紫斑、消化管出血、鼻出血、血尿などの出血傾向が認められることがあります。死亡率は30%程との報告があり、重度の症例においては入院として治療を始め、慎重な経過観察が必要となります。

今回の症例ではプレドニゾロンによる副作用を軽減する+免疫抑制効果を増強するために、治療初期からシクロスポリンを併用しました。結果的には投与開始してから血小板数の増加が認められるまでに10日程を要しました。その間に徐々に紫斑の改善があったので今回は見送りましたが、反応が乏しい症例にはヒト免疫グロブリン製剤の投与を行う場合もあります。

治療薬は徐々に減量して維持療法を行い、3~6ヵ月程継続の後、休薬していきますが、再発する場合もあるのでその後の検診も大切です。

 

淀川中央動物病院 獣医師 本田

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