症例詳細

犬の乳腺腫瘍(肺転移症例)

種 類 マルチーズ 未避妊メス
年 齢 12歳
診療科目 腫瘍科 
症 状 呼吸が荒い
吐き気がある
症例の概要

未避妊の雌犬で最も多く発生する乳腺腫瘍について。この腫瘍は早期の避妊手術にて予防することが可能です。

検査結果

来院時呼吸がかなり速く、身体検査にて乳腺腫瘍が多数認められ、第5乳腺部の腫瘤は自壊していました。

胸部レントゲンにて肺野に転移像が認められ、乳腺腫瘍ステージ5(遠隔転移)による呼吸困難と診断しました。im-0001-0001

症例について

乳腺腫瘍は雌犬で最も多く発生する腫瘍です。

犬の乳頭は通常5対ありますが、4対や6対あることもあります。

乳腺には乳腺の本体である腺上皮細胞、腺房や乳管を収縮させる筋上皮細胞、腺房間の結合組織、間質結合組織が存在します。

これらのうちのどれか一つ、または複数の組織が腫瘍化したものを乳腺腫瘍といいます。

 

雌犬では腫瘍発生率の約50%が乳腺腫瘍で、そのうち約50%が良性腫瘍、約50%が悪性腫瘍です。

さらに悪性腫瘍の犬の50%で診断時に転移巣が認められ、主に肺や所属リンパ節への転移になります。

通常は、小さく限局的であるほど良性である可能性が高く、老齢であるほど悪性腫瘍の発生率が高いと言われています。

しかし腫瘍のサイズが大きくなる(>3cm)につれて悪性の比率が高くなるため、良性腫瘍であっても時間が経ち大きくなるにつれて悪性転化を起こしうることが示唆されています。

 

乳腺腫瘍の発生には性ホルモンが関与しています。

犬では、早期に卵巣子宮摘出術(避妊手術)を実施することで予防効果があると報告されています。

具体的には、初回発情以前に卵巣子宮摘出術を実施した場合の乳腺腫瘍の発生率は0.05%2回目の発情以前では8%2回目の発情以降では26%となります。

4回目の発情以降の卵巣子宮摘出術の予防効果は皆無であるという報告もあります。

 

手術が禁忌となる炎症性乳癌を除いて、治療の第一選択は外科的切除です。

手術は原則として腫瘤確認後早期に行うことが多いです。

肺転移が認められる場合は基本的には手術は行いません。

術式には乳腺全てを摘出する方法、一部のみを摘出する方法など様々あり、腫瘍の状況や犬の年齢などを考慮して決めていきます。

※発情時期と手術のタイミングが重なると、術中の出血量が多くなることが考えられるので、可能な場合は時期をずらします。

 

避妊手術をしていない犬の飼い主さんは定期的に乳腺部分にできものがないか確認し、見つけた場合はなるべく早くご来院されることをおすすめします。

淀川中央動物病院 藤木

淀川中央動物病院

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